2/24(土)25(日)「シチューのための木のスプーン!」というワークショップが青森県立美術館で行われました。
講師はEasy Livingの葛西康人さん。
葛西さんには、昨年9月3Fギャラリーにて家具の展示販売をしていただきました。
ご存知の方も多いと思いますが、今年初めには第5回あおもりクラフトコンペで「デザイン賞」を受賞されました。心よりお喜び申し上げます。
一日目、葛西さんはこうおっしゃいました。
「私は家具職人なのだから、家具のWSをすれば良いのでは?と思うかもしれませんが。
今回は家具を通して…というよりも、身近なスプーンを創りながら、暮らしを見つめ直すWSにしたいと思っています。」
まずは、デザイン画を描き、型紙を起こし、糸鋸で木の棒をスプーン型に削りだします。
次は、表面や角を小刀を使って滑らかに整えます。時間がとても早く過ぎました。
作業に熱中する皆さんをねぎらって、
「休憩を取って下さいね!」と声をかけて下さいました。しかし、なかなか皆さん手を止めようとはしません。
ということで、「キッズルーム」にある葛西さんの家具をみなさんで見学する事になりました。
2日目、彫刻刀でスプーンのくぼみを彫り、紙ヤスリで表面を仕上げました。
午後。WS締めのお楽しみは、参加者自らが創ったスプーンで、シチューをいただきます。
シチューは、なんと葛西さんの手作りです。
そしていよいよ「いただきます。」と皆さんでテーブルを囲みました。
「スプーン創りを教えるより、シチューを作りたかった!」と葛西さんはおっしゃいました。
(…なにか深い意味が隠されていそう…だってWSはまだ終わっていない。)
シチューはとてもおいしかったです。
しかし、スプーンを口に運んだとたん、想像していなかった出来事が…。
私のスプーンは薄めに仕上げたつもりでした。が、これでは単なる厚い板。
一瞬にして、おいしさを封じ込めるほどの"違和感"。これを葛西さんは予測していたのでしょうか。
「昨日、うちに帰って改めてスプーンを見た方いらっしゃいますか?」
という葛西さんの声にほとんどの人が手を挙げました。私もです。
「このような木工WSでは、先生が既に材料を荒削りをしてくるケースが多いものです。
しかし私は、物事の裏側を見てもらいたかった。
創るだけにとどまらず、実際に食べてもらって、更にスプーンの形を意識して、手直しして…を繰り返し。
初めて"一生もの"になるんじゃないかと思うのです。」
家具作りのご研究に一身を捧げる葛西さん。
これからもお身体やご家族を大切にされ、ご精励くださるとともに、私たちの先達として道をお示しくださいますようお願い申し上げます。
投稿者 spacelab : 23:30 | コメント (0) | トラックバック (0)
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